笠原デンタルオフィス

東京都江戸川区小岩で根管治療専門外来を開設しております、笠原デンタルオフィスです。

「最近、なんだか歯が痛む気がする」
「歯ぐきが腫れている…」
「口の中のトラブルが増えてきた」

もしあなたが40代後半〜50代にさしかかっていて、こうした症状を感じているとしたら、それは“更年期”と関係しているかもしれません。
笠原デンタルオフィスでは、歯の痛みやトラブルの根本原因を見極め、再発させない治療を重視しています。
この記事では、「更年期と歯の痛みの関係」「歯がボロボロになってしまった場合の治療法」について、丁寧に解説いたします。

 

更年期に歯が痛む・歯ぐきが腫れるのはなぜ？

更年期には女性ホルモン（特にエストロゲン）の分泌が急激に減少します。
このホルモン変化が身体にさまざまな影響を与えることはよく知られていますが、実は「口腔内」にも少なからぬ影響を与えているのです。

更年期（一般的に45～55歳頃）は、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減少する時期です。
このエストロゲンの減少は、心身にさまざまな変化を引き起こしますが、口腔内にも大きな影響を及ぼすことが分かっています。

 

歯ぐきの炎症リスクが高まる理由

エストロゲンには、全身の血管・粘膜・骨などを健全に保つ働きがあります。
そのため、エストロゲンが減少すると以下のような影響が出ます。

これにより、プラーク（歯垢）に対する歯ぐきの抵抗力が低下し、腫れや出血を起こしやすくなるのです。

実は「女性ホルモン受容体」は歯ぐきにもある
近年の研究では、歯肉や歯周組織にも「エストロゲン受容体」が存在することが明らかになっています。
つまり、女性ホルモンの変動が直接、歯ぐきの炎症反応や代謝に影響を与えているというわけです。

歯周病の悪化リスクも上昇
更年期には、歯周病の進行が加速する傾向にあります。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる病気ですが、免疫力が落ちた状態の歯ぐきは、細菌の影響を受けやすくなるためです。
加えて、唾液量の減少（ドライマウス）も、細菌の繁殖を助長してしまいます。

 

唾液分泌の減少＝ドライマウスと口腔トラブルの悪循環

更年期に入ると、唾液腺の機能も衰えやすくなり、「口が乾きやすい」「ネバつく」「話しづらい」といったドライマウスの症状が現れる方が増えます。
唾液は、次のような役割を担っているため、減少すると口腔内のバランスが崩れやすくなります。

唾液が少なくなると、細菌の増殖、歯垢の蓄積、口臭、舌のひび割れ、粘膜の炎症などが生じ、結果として「歯ぐきの腫れ」「歯の痛み」「虫歯」「知覚過敏」へとつながります。

 

更年期には歯がもろくなる？そのメカニズム

こういった変化を感じる方も多いのではないでしょうか。

これは単なる“年齢のせい”ではありません。
更年期に特有の変化が、歯の構造や機能に影響を与えているのです。

 

歯の硬さを保つのは「再石灰化」

私たちの歯は、日々「酸によって溶かされる（脱灰）」と「唾液中のミネラルで修復される（再石灰化）」を繰り返しています。 ところが、更年期では以下のような影響により再石灰化のバランスが崩れてしまうのです。

唾液量の減少
再石灰化に必要なミネラル供給が低下

唾液のpHの変化
酸性に傾くと歯が溶けやすくなる

食習慣の変化
甘いもの・柔らかいものが増えると虫歯リスクUP

これにより、エナメル質が薄くなり、歯が脆くなる＝欠けやすくなる・痛みやすくなるという悪循環に陥ります。

 

ホルモンバランスの乱れによる骨密度低下

歯そのものだけでなく、「歯を支えている骨＝歯槽骨」も更年期で弱くなります。
エストロゲンは、骨の吸収を抑制し、骨密度を保つ働きがあります。
閉経後にエストロゲンが減少すると、骨の新陳代謝のバランスが崩れ、顎の骨までスカスカになってしまうことがあるのです。

その結果

といった問題が発生しやすくなります。

 

象牙質の露出と知覚過敏のリスク

エナメル質がすり減ると、内側の柔らかい層である「象牙質」が露出しやすくなります。
象牙質には“象牙細管”という神経につながる管が無数に存在しており、ここに刺激が伝わると、

などの知覚過敏症状が現れます。

更年期ではこうした症状が急激に進むケースも少なくなく、歯が“使いにくく”なることで食事や会話の質まで低下してしまうのです。

 

更年期で歯がボロボロになってしまった場合の治療法

「歯が次々とダメになっていく」
「もう、どうしていいか分からない」

そのようなご相談を受けることは少なくありません。
当院では、そういった方のために“最後の治療”を目指し、包括的なアプローチをご提案しています。

 

精密根管治療：残せる歯は徹底的に残す

虫歯が神経まで達してしまった場合でも、正確な診断と治療を行えば歯を抜かずに済むケースがあります。
当院ではマイクロスコープを用いた精密根管治療を行い、従来見逃されがちだった細部まで丁寧に処置を行います。

 

歯髄保存療法：神経を守ることで歯の寿命を延ばす

できる限り神経を残す「歯髄保存療法」も当院の得意分野です。
ホルモン変化で弱くなった歯は、神経を抜いてしまうとより脆くなります。
削る量を最小限に抑え、MTAセメントなどの先進材料を用いることで、歯の自然治癒力を引き出します。

 

インプラント：周りの歯に負担をかけない、歯を残すための選択肢

歯を失ってしまった場合には、インプラント治療が有効です。
骨の状態を精密に把握したうえで、長期的に安定する設計をご提案します。

 

オーダーメイドの入れ歯・ブリッジ：噛む力も見た目も回復

すべての方がインプラントに向いているわけではありません。
当院では、精密な型取りと設計により、装着感・審美性に優れた入れ歯やブリッジもご提供しています。
更年期以降のお口の変化を見据えた、将来まで使える設計が可能です。

 

更年期の方にこそ知っていただきたい、当院の特徴

笠原デンタルオフィスでは、次のような方に向けた診療を行っております。

 

まとめ：更年期こそ“歯の健康の分岐点”

更年期は、女性の身体にとって大きな転換期。
ホルモンの変化によって、体だけでなく「歯や口腔内の健康」にも大きな影響が出ます。

「年齢のせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。
正しい知識と確かな診断・治療によって、これから先の人生も、しっかりと自分の歯で食べて、話して、笑うことができます。

笠原デンタルオフィスでは、「この治療で最後にする」ことを目標に、あなたの歯と本気で向き合います。
更年期でお口のことでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。