「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性

      2026/01/30

その「抜歯宣告」で立ち止まってしまったあなたへ
「歯の根が割れている」という言葉の重みと、放置が招く真のリスク

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

東京都江戸川区小岩で根管治療専門外来を開設しております、笠原デンタルオフィスです。

「歯の根が割れていますね。残念ながら抜くしかありません」

歯科医院でこのように告げられたとき、すぐに「はい、お願いします」と決断できる方は少ないはずです。
ご自身の歯を大切に思っていればこそ、ショックで立ち止まってしまったり、痛みがない場合に「もう少し様子を見てもいいのではないか」と治療を先延ばしにしてしまったりすることもあるでしょう。

しかし、歯科医師としてまずお伝えしなければならないのは、「本当に修復不可能な状態で割れている歯」を放置してしまうと、お口全体の健康、さらには将来的な治療の選択肢にまで大きな影響を及ぼす可能性があるという事実です。

一方で、もう一つ大切な事実があります。
それは、一口に「歯根破折(しこんはせつ)」と言っても、その状態や程度は千差万別であり、精密な診査・診断を行うことで、必ずしも抜歯を選択しなくて済むケースも存在するということです。
本記事では、以下の内容を解説します。

歯根破折を放置することで生じる具体的な「4つのリスク」

なぜ早期の「正しい判断」が将来の健康を守るのか

診断が分かれる理由:保険診療の限界と精密機器の役割

「破折(はせつ)」と「亀裂(きれつ)」の違い、そして残せる可能性

 

歯根破折を放置するとどうなる?段階的に進む「4つのリスク」

歯根破折(歯の根が割れること)を放置することは、お口の中に「細菌が自由に侵入できる亀裂」を放置することと同義です。
この亀裂は、通常のブラッシングやうがいでは決して洗浄できないため、炎症は時間とともに確実に深部へと進行します。
その過程を、4つの段階的なリスクとして詳しく解説します。

 

【リスク1】「骨吸収」の進行:土台が急速に溶けていく

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

歯の根の割れ目に潜み、増殖した細菌は、根の周りを囲んでいる「歯槽骨(しそうこつ)」という骨を攻撃し始めます。
体は炎症から自分を守るための防御反応として、感染源である歯の根から遠ざかろうと、自ら骨を溶かしてスペースを作ります。
これが「骨吸収」です。

最初は自覚症状が少ないこともありますが、レントゲンを撮ると歯の根の周りに「透過像」と呼ばれる黒い影(骨がなくなっている部分)がはっきりと確認できるようになります。
骨は一度大きく失われると、自然に元の形へ戻ることは困難です。
歯を支える土台が崩れることで、後に解説する治療の選択肢が狭まる最大の原因となります。

 

【リスク2】「周囲への感染波及」:隣の歯や鼻の疾患へ

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

炎症は割れた歯の周囲だけにとどまりません。
放置された細菌は、骨を溶かしながらじわじわと周囲の組織へ勢力を広げていきます。


隣の歯への影響
骨の吸収が隣の健康な歯を支える骨にまで及ぶと、割れていないはずの隣の歯までグラつき始めたり、最悪の場合は隣の歯も根管治療が必要になったりする連鎖反応を引き起こします。

解剖学的なリスク(上顎洞炎など)
上あごの奥歯の場合、根のすぐ上には「上顎洞(じょうがくどう)」という鼻につながる空洞があります。
ここへ感染が波及すると、歯科治療だけでは治らない「歯性上顎洞炎(蓄膿症のような症状)」を引き起こし、激しい頭痛や鼻詰まり、特有の臭いに悩まされることになります。

 

【リスク3】「急性炎症の発現」:突然の激痛と顔の腫れ

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

「痛くないから放置しても大丈夫」という考えが、最も予断を許さないのがこの段階です。
慢性的な炎症はある日突然、体の免疫力が低下したタイミング(疲れ、風邪、ストレスなど)で「急性化」します。

割れ目の中に溜まっていた膿が、骨の内部で急激に内圧を高めます。
これにより、痛み止めが全く効かないほどの拍動痛(ドクドクする痛み)や、頬から目の下、あるいは顎の下まで大きく腫れ上がる「顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)」のような重篤な症状を招くことがあります。
急性症状が出ている時は麻酔が効きにくく、まずは消炎処置(膿を出す、抗生剤の服用)を優先せざるを得ないため、根本的な解決までにより多くの時間を要することになります。

 

【リスク4】「再建治療の困難化」:インプラントや入れ歯の成功率低下

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もし最終的にその歯を抜かざるを得なくなったとしても、放置した時間が長いほど「その後の治療」に大きなハンディキャップを背負うことになります。

インプラントへの影響
インプラント治療を行うには、十分な「骨の厚みと高さ」が必要です。放置によって骨が大きく溶けてしまっていると、インプラントを埋める土台がないため、大規模な「骨造成(骨を作る手術)」を追加で行わなければならず、治療期間も費用も大幅に増大します。

入れ歯・ブリッジへの影響
骨が痩せてしまうと、入れ歯を支える土手がなくなり、入れ歯が安定せず外れやすくなったり、ブリッジをかける隣の歯への負担が過剰になったりします。

 

「本当に割れている」なら、抜歯は「攻めの保存」である

当院は「歯を残す」専門外来ですが、「本当に修復不可能な破折」が確認された場合には、速やかな抜歯を推奨します。
それはなぜでしょうか。


抜歯の目的は「骨を守ること」
歯根破折が確定しており、修復が不可能な場合、その歯はもはや「体にとっての異物」であり「細菌の供給源」です。
この場合の抜歯は、歯を捨てるための処置ではなく、「これ以上骨が溶けるのを防ぎ、将来インプラントなどでしっかりと噛める環境を守るため」の積極的な処置なのです。

無理に残すことが「不誠実」になる場合もある
残念ながら、どのような最新技術を使っても残せない破折は存在します。
それを無理に残し、高額な自由診療を繰り返すことは、結果的に患者様の時間と健康を損なうことになりかねません。
私たちは、「残せる可能性」と「抜くべき正当な理由」を誠実に見極めることが、専門医の使命だと考えています。

 

なぜ放置してしまうのか?「不透明な抜歯宣告」への不信感

患者様が治療を放置してしまう最大の原因は、歯科医師の説明に納得がいっていないことにあります。

 

一般的なレントゲン診断の限界

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

多くの歯科医院で使用されている2次元のデジタルレントゲンは、非常に優れた装置ですが、情報量に限界があります。
歯の重なりや角度によっては、微細なひび割れ(破折線)が写らないことも珍しくありません。
この場合、歯科医師は臨床経験や周囲の骨の溶け方から「おそらく破折しているだろう」という推測を交えて判断を下すことが一般的です。
これは決して不誠実なことではなく、標準的な設備環境における「安全を考慮した診断」と言えます。

 

患者様の違和感と、保険診療における構造的な課題

東京の根管治療専門外来、笠原デンタルオフィスで、「歯根破折」を放置するとどうなる?骨消失のリスクと、「精密診断」の重要性を専門医が解説

「本当に割れているのだろうか?」
「抜く以外の選択肢はないのか?」

そんな患者様が抱く不信感は、時として正鵠を射ていることがあります。
しかし、その背景には日本の歯科医療、特に保険診療が抱える切実な構造的課題が隠されています。

限られた時間内での説明の難しさ
日本の保険制度は、多くの患者様が平等に安価で治療を受けられる素晴らしいシステムですが、一方で歯科医師が一人ひとりの患者様に対して割ける時間には、物理的な限界があります。
特に根管治療は非常に緻密で時間がかかる治療ですが、保険診療の枠組みの中では、カウンセリングや詳細なリスク説明に十分な時間を確保することが難しくなりがちです。

リスク回避としての「抜歯」の選択
歯根破折が疑われる場合、もし無理に歯を残す治療を行って、数ヶ月後に痛みが再発したり、さらに状態が悪化したりすると、患者様にとっては「せっかく通ったのに治らなかった」という大きな不満に繋がります。
このような治療後のクレームやトラブルを避けるために、歯科医師は「確実に問題を解決する方法」として、リスクの少ない「抜歯」を推奨せざるを得ないという側面があるのです。

説明不足が招く「不信感」と「放置」の悪循環
十分な信頼関係が築けないまま、一方的に抜歯を勧められてしまうと、患者様は「まだ残せるのではないか」という疑念を抱き、立ち止まってしまいます。
その結果、セカンドオピニオンを求める機会も逃し、治療自体を中断・放置してしまうというケースが後を絶ちません。
この「診断の不透明さ」と「説明の不足」が招く治療の中断こそが、放置を長期化させ、結果として骨を失わせるという悲劇を生んでいるのです。

 

「歯根破折」か「亀裂」か。当院が考える「残せる」境界線

当院では、他院で抜歯を推奨された歯に対しても、すぐに諦めることはしません。
そのひびの状態を正しく分類し、それぞれの状態に合わせた最善の提案をいたします。

 

抜歯を避けるのが難しいケース(完全な破折)

歯の根が縦に真っ二つに割れていたり、割れたパーツが完全に離れて動いてしまっていたりする場合です。
この状態を無理に残すと、前述の「骨が溶けるリスク」が非常に高まるため、患者様の将来の健康を守るために「抜歯」をお勧めすることがあります。

 

保存できる可能性があるケース(亀裂・クラック)

一方で、ひびが表面に留まっている場合や、ひびの深さが限定的である場合などは、以下のような専門的な処置で歯を残せる可能性があります。


MTAセメントによる精密封鎖
殺菌性と封鎖性に優れた特殊な薬剤を用い、ひびの部分を内側から密閉します。

構造的な補強
ひびが広がらないよう、接着技術を用いて歯の内側から強固に一体化させます。


「抜くか残すか」という二択の前に、「どの程度のダメージがあり、修復にはどんなリスクを伴うのか」を正しく知ることが、患者様の納得感に繋がると考えています。

 

後悔のない選択をするために

東京(江戸川区小岩)の根管治療専門外来|笠原デンタルオフィスで、残せる歯・抜くべき歯の境界線と、抜歯宣告を覆す精密診断について解説

歯根破折の放置は確かに大きなリスクです。
しかし、十分な説明がないまま抜歯を受け入れることも、後悔の原因となります。

東京都江戸川区小岩の笠原デンタルオフィスでは、日本顕微鏡歯科学会認定指導医として、患者様が抱く「本当のところはどうなの?」という疑問に答えします。
他院で抜歯を勧められてお悩みの方、説明が不十分で不安を感じている方。
まずは、その歯の「本当の現状」を一緒に確認してみませんか?
私たちは、あなたの「納得」と「大切な歯」を守るために、最新の技術と時間を惜しまず、誠実な診療をお約束いたします。

 



笠原デンタルオフィス・精密根管治療専門サイト:https://endodontics-tokyo.com/

〒133-0056 東京都江戸川区南小岩7-30-12 東名観光ビル 2F
電話:03-6458-0640

電車でお越しの方:
JR総武線小岩駅 徒歩3分

お車・自転車でお越しの方:
近隣の有料駐車場をご利用ください。(駐輪場あり)

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