根管治療の回数は少ない方が良い?成功率を高める「即日密閉」とは
2026/05/30
東京都江戸川区小岩で根管治療専門外来を開設しております、笠原デンタルオフィスです。
「根管治療のために、もう何ヶ月も歯医者に通っている」
「毎回、仮の蓋を開けて掃除して、また閉じる。
いつになったら終わるのか不安」
「何度も通うのは、それだけ丁寧にやってくれている証拠だと思っていたけれど……」
そんな風に感じている方は、実は非常に多くいらっしゃいます。
しかし、歯科医学の世界基準、そして最新の精密根管治療の視点から言えば、「治療回数は少ないほど、成功率は高まる」という事実をご存知でしょうか。
今回は、根管治療の回数に対する考え方と、当院がなぜ「少ない回数」での完了、そして「即日密閉」にこだわるのか、その医学的根拠とメリットを解説します。
「回数が多い治療=丁寧な治療」という誤解
日本の歯科医院でよく見られる「週に1回、合計5〜10回通う」という根管治療。
患者様からすれば「時間をかけて何度も掃除してくれているから安心」と感じるかもしれません。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
まず、なぜ日本の歯科治療において「回数が多いのが当たり前」という風潮が生まれたのかを知る必要があります。保険制度による診療時間の制約
日本の保険診療では、1人の患者様にかけられる時間が「15分〜20分」程度に限られてしまうことが多々あります。
その短い時間では、複雑な根の中を一度に完全に除菌することは不可能です。
そのため、「少しずつ掃除して、薬を入れ替える」という工程を何度も繰り返すスタイルが定着しました。
「手探り」の限界
肉眼での治療は暗い根の中が見えないため、手先の感覚に頼るしかありません。
汚れが取れたかどうかを「症状が落ち着くかどうか」という結果論でしか判断できないため、回数を重ねて慎重に進めるしか術がなかったのです。
しかし、これは「丁寧だから回数がかかる」のではなく、「一度にできる処置に限界があるから回数を分けざるを得ない」というのが実情です。
通院回数が増えることによる「4つの重大なリスク」
医学的に見れば、根管治療の回数が増え、期間が長引くほど、以下のような「歯を失うリスク」が増大していきます。
1. 「仮の蓋」の期間中は再感染しやすい
根管治療の成功を左右するのは、「いかに細菌を入れないか」という一点に尽きます。
どんなに精密な「仮の蓋」をしても、食事の際の噛む力や唾液の侵入により、時間の経過とともにわずかな隙間が生じます。
通院回数が10回あれば、10回「蓋を開ける」ことになります。
その度に、お口の中の細菌が根の中に侵入するチャンスを与えていることになり、除菌と感染の「いたちごっこ」になりかねません。
2. 歯の「削りすぎ」による強度低下
治療のたびに根の中をファイル(掃除の器具)で擦れば、汚染組織だけでなく、本来必要な健康な歯の構造(象牙質)もわずかずつ削り取られてしまいます。
回数が増えるほど歯の壁は薄くなり、最終的に治療が終わったとしても、「噛む力に耐えられず、根っこが割れてしまう(歯根破折)」という最悪の結末を招くリスクが高まります。
3. 殺菌剤による「歯質の劣化」
回数が多い治療では、期間中に強い薬剤を根の中に長期間置くことになります。
一部の薬剤は、長く使いすぎると歯の質を脆くし、将来的な破折のリスクを上げることが指摘されています。
4. 治療の「迷走」と中断
「いつ終わるかわからない」という不安は、患者様のモチベーションを著しく低下させます。
途中で通院を止めてしまうことが、実は最も抜歯に至りやすい原因の一つです。
笠原デンタルオフィスが提唱する「真の丁寧さ」とは?
私たちが考える「丁寧な治療」とは、回数をかけることではなく、「1回の治療に十分な時間を確保し、その1回でどれだけ完璧に近い除菌を行えるか」という「密度」にあります。
「密度」を高めるための3つのこだわり
60分〜90分のロングアポイント
当院の精密根管治療では、1回の治療に約60分〜90分の十分な時間を確保します。
15分の治療を4回繰り返すよりも、60分集中して1回で処置を行う方が、細菌の侵入機会を減らし、治療の精度を飛躍的に高めることができます。
その結果、2021年の来院回数平均は約2.3回という実績を誇っています。
マイクロスコープによる「可視化」
肉眼での治療は、いわば「手探りの掃除」です。
汚れが見えないため、少しずつ掃除しては様子を見る、という工程を繰り返さざるを得ません。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で根の中を20倍に拡大し、汚染箇所を直接「見て」除去します。
「たぶん綺麗になっただろう」ではなく、拡大された視野で「汚れが完全に消えた」ことを確認します。
確認ができるからこそ、何度もやり直す必要がなくなります。
ラバーダムによる「無菌環境の固定」
治療中、一度でも唾液が根の中に入れば、それまでの除菌はすべて無駄になります。
そこで、 ラバーダム(ゴムのシート)を使用し、治療部位を完全に隔離します。
一度作った無菌空間を、治療が終わるまで維持したまま一気に処置を進めるため、治療中の再感染を防ぎ、何度も消毒を繰り返す必要がなくなります。
ニッケルチタンファイルによる効率的な拡大
最新の柔軟な器具を使用することで、複雑に曲がった根管の汚れも、短時間で安全に、かつ精密に除去できます。
当院がこだわる「即日密閉(根管充填)」とそのメリット
当院では、条件が整えば1回目の治療で「根管充填(根の中に最終的な薬を詰めて密閉すること)」まで行う「即日密閉」を積極的に採用しています。
根管治療の目的は、一言で言えば「根の中の細菌をゼロに近づけ、新たな細菌の侵入を防ぐこと」です。
除菌が完璧に完了した「その瞬間」に密閉することには、後日に行うのとは比較にならないほどの大きな意味があります。
再感染の隙を「1秒も与えない」
根管治療で最もリスクが高いのは、治療と治療の間の「仮蓋(かりぶた)の期間」です。
どんなに優れた仮封材(仮の蓋)であっても、唾液の浸入や噛み合わせの圧力によって、目に見えないミクロの隙間が生じます。
マイクロスコープ下で徹底的に除菌し、根の中が最も清潔になった直後に最終的な材料で密閉(充填)することで、細菌が再び住み着く場所を物理的に消し去ります。
「明日」に回すことで生じる再感染のリスクを、ゼロに抑え込むのが即日密閉の狙いです。
歯の「破折(割れ)」を未然に防ぐ
根管治療中の歯は、神経を失い、さらに内部を掃除するために削られているため、非常に脆い状態にあります。
治療回数が増え、仮蓋の状態で何週間も過ごしていると、食事の際の負担で歯にヒビが入ったり、最悪の場合はパカッと割れてしまったりすることがあります。
これを「歯根破折」と呼び、起きてしまうと多くの場合「抜歯」しか道がなくなります。
即日密閉を行い、早期に最終的な補綴(土台や被せ物)の工程へ進むことで、歯の構造的な強度を早急に回復させることができます。
化学洗浄の「除菌効果」を最大化させる
当院では、機械的な掃除だけでなく、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を用いた「化学的洗浄」を極めて入念に行います。
洗浄直後の根管内は、薬剤の効果により細菌の活動が極限まで抑え込まれています。
この「最もクリーンな状態」を維持したまま密閉することで、根の先に膿が再発する確率を大幅に下げることが可能です。
即日完了が難しいケースとは?
もちろん、すべてを1回で終えるわけではありません。
以下のような「難易度が高いケース」では、医学的根拠に基づき、あえて回数を分け、慎重に経過を観察します。
急性炎症で膿が止まらない場合
根の先から血液や膿が溢れ出している状態では、密閉しても圧力が逃げ場を失い、激痛を招くことがあります。
複雑すぎて除菌に時間が不足する場合
根の管が石灰化して詰まっていたり、過去の治療で特殊な材料が詰まっていたりして、1回の診療時間内に「完璧な除菌」が確認できない場合。
当院の指標
私たちの目的は早く終わらせること自体ではなく、「二度と再発させないこと」です。
そのため、マイクロスコープで見て「まだ除菌が不十分だ」と判断すれば、迷わず回数を分けて対応します。
その結果が、平均来院回数「約2.3回」という数字に表れています。
通院回数と「成功率」の意外な関係
「長く通うほど丁寧に治る」というイメージとは逆に、治療期間が長引くほど、結果として抜歯に至るリスクが高まることが統計的に示唆されています。
治療のモチベーション低下
通院が嫌になり、途中で中断してしまうことが最大の抜歯原因になります。
根の「削りすぎ」
何度も掃除を繰り返すことで、本来必要な歯の構造まで少しずつ削り取られ、歯が薄くなって割れやすくなります。
患者様にとって、歯科医院への通院は決して楽しい時間ではないはずです。
お仕事や育育児、介護など、お忙しい日常の中で貴重な時間を割いてくださっています。
当院のスタイルは、「最小の回数で、最大の除菌効果を出し、早期に機能回復(被せ物)へ繋げる」という、歯の寿命を第一に考えた戦略です。
「平均2.3回」という数字は、単なるスピード自慢ではありません。
それは、細菌を徹底的に排除し、再感染の隙を与えないという、医学的な誠実さの積み重ねの結果なのです。
あなたの歯を守るために必要なのは、「通う回数」ではなく「一回の治療の密度」です。
もしあなたが今、終わりの見えない根管治療に不安を感じているのなら、一度当院の精密診査を受けてみてください。
CTやマイクロスコープによる精密診断では、なぜ治療が終わらないのか、どうすれば最短で治るのかが明確になります。
よくある質問 Q&A
回数ではなく「質」で判断していますのでご安心ください。
CT診断とマイクロスコープ診査を行い、現在の問題点を特定した上で、最短ルートでの完了を目指します。
回数よりも「成功率」と「歯の寿命」に価値を置いています。
万が一問題が起きた場合も、原因を特定して迅速に対応します。
根管治療が早く終われば、それだけ早く「噛むための治療(被せ物)」に進めるため、全体の治療期間を大幅に短縮できます。
監修医・医院情報
監修医:笠原明人(日本顕微鏡歯科学会指導医/笠原デンタルオフィス 副院長)
資格及び所属団体
PERF-J(中川寛一主宰)インストラクター
日本顕微鏡歯科学会認定医第66号 指導医第34号(江戸川区取得第一号)、代議員、理事
日本歯内療法学会会員
日本口腔顔面痛学会会員
日本口腔インプラント学会会員
歯科医師臨床研修指導医
日本歯科医師会会員・東京都歯科医師会会員・江戸川区歯科医師会会員
日本歯科保存学会会員
歯学博士
笠原デンタルオフィス・精密根管治療専門サイト:https://endodontics-tokyo.com/
〒133-0056 東京都江戸川区南小岩7-30-12 東名観光ビル 2F
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